俳句の容易さと難しさ

 俳句は小学生にも作れるのである。八十過ぎの健全なご老人にも作れるのである。つまり作りやすいということである。よって、このように安易に誰にでもつくれる文芸ということで、第二芸術などと指摘されたこともあったのである。この部分が強調され、気楽な小説家や呑気な詩人などが侮蔑しているのである。しかし、実際俳句を作り続けるとその難しさに気が付くのである。つまりいくら作っても過去の作品の範疇から出られないということである。ほとんどが類似句ということである。秀句・名句は詠めないということである。このような句が年に何度か詠めるような俳人は、プロと呼ばれる方々なのである。
 俳句はとても難しいのである。これが現実である。仮に秀句・名句ができたと勝手に思い込んでも、詳しく調べれば過去に類似句がいくらでもあるのである。自分しか詠めない句は、ほとんど無いと言い切ってもよいくらいなのである。現実は厳しいのである。
 では自分しか詠めない句とは、どんなものなのかという疑問が湧くであろう。それは自分で考えればよいのである。
 しかし考え方を切り替えるという方法もある。つまり、芸術性などと考えずに楽しく気楽に俳句を楽しむということである。秀句・名句は先生に任せておけばよいということである。現実的には多くの人々がそうなのではあるが・・・・・。

                                          2008.3.1