絵文字俳句

 何だが、馬鹿にされそうだが、やはり書くことにする。
 ある日、ある俳句が思いついたのである。

天道虫背中に星の入れ墨を       小山 孝治

 これはこれで俳句にはなっているように思う。これでやめておけばよかったのであるが、何となく物足りない気がしたのである。酒も少し飲んでいたので、それでつい、

天道虫背中に☆の入れ墨を        小山 孝治

 と作り替えたのである。☆はお年寄りでも間違いなく星と読んでもらえるので、意味はよく分かる句である。絵文字も俳句に十分使用できるな、と思ったのである。絵文字使用の新しい俳句の誕生であると、その時は感じたのである。だが、時間が経つにつれ、こんなことでよいのだろうかという気もしてきたのである。バカ者、いや若者が作るのならそれはそれでよいであろう。しかし私の歳ではやはり拙いのではないかという気もするのである。しかし、俳句は肩肘張らずに楽しく詠むべきであるという古の賢人の言葉もあるので、これはこれでよいのであろう。だが、絵文字俳句をこれ以上作成してみようとは思わなかったのである。精神的に若くはないなと思うのである。
 しかし、若者が絵文字俳句を三十句か五十句程度つくり、選者次第では、有名な俳句コンクールに挑戦すれば入選、いや一等賞になる可能性は多少あるかも知れないな、とは思うのであるが・・・。

                            2010.2.11