逆俳句

 風邪をひいてしまったのである。それで、逆俳句の発想が出たのである。こういう発想はあまりよくないと思っているのであるが、仕方がないのである。実践してみよう。
 さて、俳句は「五七五」でできているが、これを「七五七」にしてみるとどうであろう。文学として味わえないであろうか。味わえれば価値があろう。名句を作り直してやってみよう。

   降る雪や明治は遠くなりにけり      「五七五」

   明治は遠くなりにけり降る雪見れば   「七五七」

   神田川祭りの中を流れけり       「五七五」

   祭りの中を神田川流れてをれり     「七五七」

   流れゆく大根の葉の早さかな      「五七五」

   大根の葉の流れゆく早さなるかな    「七五七」

 如何であろう。やはり作り直した逆俳句は、名句の良さが間延びしてしまい、文学的価値がふっとんでしまった感じがするのである。名句を作り直したことがよくないのかも知れない。「七五七」向きの句を新たに作成するとまた違った感じがするのかも知れないのである。しかし、これでお終いにするのである。

                                         2008.5.4