季語の品詞分解
季語の品詞について、ほとんどの俳人は興味を持っていないであろう。興味というより、意識すらしていないのかも知れない。私もそうであったが、「歳時記学」という分野が長谷川主宰によって提唱されている。なかなか面白い分野に目を付けたものである。学問は徹底的に分析することから始まるのである。どんなに些細でつまらないと思える部分からでも、である。その辺りから新しい発見があるのである。
さて、いくつか季語をあげよう。歳時記をパラパラとめくると、「春 春の月 山笑ふ 身に入る 秋深し 爽やか」などが目に付いた。
【春】は、名詞である。
【春の月】は、名詞+助詞+名詞である。
【山笑ふ】は、山(が)笑ふで、名詞+(助詞)+動詞であるが、名詞は主格となっている。
【身に入(し)む 】は、名詞+助詞+動詞で、名詞は目的格になっている。
【秋深し】は、名詞+形容詞となっている。
【爽やか】は、形容動詞である。形容動詞も季語とは少し驚いたのである。これが私にとって一つ目の発見であった。
さて、どうも季語に副詞はないようである。ここが二つ目の発見であった。いや真剣に調べるとあるのかも知れない。
さて、季語を品詞分解して、何が面白いのだという方もあろうが、面白いものは面白いのである。歳時記学に触れたような気持ちになれたのである。
2009.4.11