降る雪やの句の改作
降る雪や明治は遠くなりにけり 中村草田男
これは名句として昔からよく知られている句である。しかし、若者にとって感覚的に理解しにくいであろう。明治は遠くなりすぎたのである。若者にとって次の句の方が理解しやすいであろう。
降る雪や昭和は遠くなりにけり
さて、この句は誰の句なのだろう。中村草田男の句といっていいのだろうか。何か変である。では改作した私の句ということであろうか。これでは多くの俳人から怒られるであろう。パロディ俳句とすべきであろうか。しかし何も笑いがないのである。やはり変である。
若者にとっては、昭和の句の方が遙かに理解しやすいのである。これはこれで価値がある句なのではあるまいか。では元に戻るが誰の句なのだろう・・・・・・。妥協案である。
降る雪や昭和は遠くなりにけり 中村草田男
小山孝治改作(2008.1.14)
さて、この作り替え俳句の発想はそれほど新しいことではないので、恐らく「大正は遠くなりにけり」などと発想した方もいるであろう。「昭和は遠くなりにけり」も然りである。ただ、これを正式な俳句として認めたかという点では恐らく認めてはいないであろう。私は認めたのである。この点が新しいということなのである。しかし反発する方は多いであろう。それも然りである。
2008.1.14