俳人と批評

 俳人はとても多い。しかし俳句の批評家はすくない。批評の本を書けるほどとなるとごく僅かである。この批評力は、とても重要である。自分の句の存在理由を立証することで、世間に自分の句を認めさせることができるのである。少しくらい下手でも批評が上手ければ世間からも俳人として高く評価されるのである。
 俳句の上手な人はたくさん存在する。しかし、批評力が弱いので、口の上手な人と議論するとつぶされてしまうのである。また議論を避けてしまうのである。私は相手を議論でつぶしたりはしないが、もったいないと思うのである。最低、自分の良さを説明できなければいけないのである。それも俳句力の重要な要素である。俳句で認められるためにも批評力を俳人はつけるべきである。だが、批評力だけで、俳句の世界を渡り歩く人もいるらしいのである。そういう人は、俳句が下手であるので、死後すぐに忘れられてしまうであろう。でも評論は残るかも知れない。

                                                2007.5.6