俳人理解のイメージ法

 高名な俳人の俳句やその人物を解説した論文はよく見られる。それを読めばその俳人のことがよく分かるかも知れない。だが、自分の努力で自分なりに理解する方法がある。それはイメージ法である。たとえばある高名な俳人を例にあげよう。その俳人からイメージできるものを順番に記載してみよう。

俳句の宇宙 桜の花 歳時記学 俳論好き 飴山實 古典好き 松尾芭蕉 王道俳句 結社古志 雪 文語体 歴史的仮名遣い 句集 主宰 朝日新聞俳句選者 東大法学部 元新聞記者 大学の先生  熊本県 九州男児 和の心 etc

 誰であるかは知る人ぞ知るであるが、今回はその俳人のことを論じているのではないのである。このイメージ法を活用すると俳人の全体像が浮かぶということなのである。
 この俳人の場合の最も重要なキイワードは 、「俳句の宇宙」である。このことを理解していない門弟も多くいる。だがそれは今回の趣旨とは全く関係がないのである。
 次のキイワードは、案外「桜の花」と思うのである。これは私の直感である。桜の花にこの俳人の主体が内在しているように感じるのである。やや分かりにくいが、このことも今回の趣旨とは全く関係がないのである。だから詳しく記載しないのである。
 次は「俳論好き」である。俳句よりも俳論が下と思われがちであるが、俳壇ではこれが以外に力を発揮するのである。
 という風に一つ一つを分析していくとその俳人の人物論もできてしまうのである。このような人物論もあっていいように思うのである。勿論、この方法は他にも応用が可能である。たとえば、自分のことを詳しく知りたいならば、この方法で己をイメージしてみるのである。自分がどんな人間であるかが客観的に理解できるであろう。
 このイメージ法は私のふとした思いつきであるが、それほど難しい方法ではないので、以前に誰かが考え出しているのかも知れない。それはそれでよいのである。

                                2010.2.6