文人以外の忌日
有名な俳人が亡くなれば、忌日として季語となることが多い。子規忌や去来忌、たかし忌、草城忌などいくらでもある。また俳人だけでなく歌人、小説家もしかりである。業平忌、河童忌、露伴忌、桜桃忌などいろいろとある。だが、文人だけで本当にいいのであろうか。俳人には理工科系の方々も多いのである。そういう方々は自分の分野の有名人も詠んでみたいと思うのではなかろうか。野口英世の英世の忌、湯川秀樹の秀樹の忌などがあってもよいであろう。また政治家もいかがであろう。吉田茂の茂の忌、田中角栄の角栄忌、など。また経済の方では本田宗一郎の宗一郎忌、軍人では山本五十六の五十六忌など、いかがであろう。スポーツ界ではオリンピックで銅メダルをとった後、自殺した円谷幸吉はどうであろう。
雪道を長靴履いて角栄忌 孝治
フラスコに青き流体英世の忌 孝治
真珠湾波静かなり五十六忌 孝治
あの世でも走りてをるや幸吉忌 孝治
これらの句は今一つのように思うが、才能のある人ならば、十分価値のある俳句がつくれるであろう。この分野「あり」である。
2009.4.18