科学的俳句の神様降臨

 なかなか俳句の神様は降臨してくれないのである。でもどんな俳人でも一生にいっぺんくらいは降臨してくれるものである。降臨した俳人には素晴らしい秀句が詠めることが約束されているのである。
 では俳句の神様の実態とは何であろう。神様なのだから、そう簡単に理解できる筈もないであろうという方もいらっしゃるかも知れないが、私なりに解釈してみたい。俳句の神様がその俳人の中に入り込むと秀句名句ができるということとする。その俳句の神様は、その俳人が写実派だとして、いつも見ている景色ではなく、新しい観点の景色を見せてくれるということである。この状態においては、感覚器官や脳細胞が著しく活発に動き出しているということである。これはアドレナリンが血液中に多量に分泌されるとそのような状態になるのである。このアドレナリンを自由に大量に分泌させることができる人間がたまにいるのである。それは天才的人物ということであり、秀句名句を継続的に生み出すことができるのである。
 俳句の神様降臨は、科学的にはこのアドレナリンの大量分泌において起こることである。アドレナリンのあまり分泌されない方も一生に何度か大量に分泌されることがあるのである。その時が勝負の時である。
とまあ、解釈してみたが、明確な根拠があるという訳ではないのである。信じる信じないは個人の判断であるが、短詩文学は穏やかな性質の方にはもしかしたら向かないのかも知れないと思うのである。勿論これも根拠があるという訳ではないのである。

                               2010.1.31