季語はいつ出来たか
和歌から俳句が生み出されたことは、よく知られていることである。和歌には季語はない。よって季語は俳句が生み出されてから発生したというこである。最初の俳句は和歌のルールの一部である「五七五」だけを意識して作られていたであろう。また和歌よりも低い位置におかれていたであろうから、遊び感覚、戯れ感覚の句が多かったと考えられる。
切れ字もあまり意識されていなかったであろう。しかし、「かな」や「けり」は和歌によく使用されていたので、俳句にもそれらは、詠嘆として使用されていたであろう。
さて、俳句好きが集まり、俳句を作ったとしよう。遊びにはルールが必要である。また遊びなら優劣もつけたくなるではないか。よって、優劣を付けるためにはある程度規準が必要である。それは「もの」だったのではなかろうか。つまり、
「では、皆さん、月に関する句を詠んでみましょう。それで皆さんで話し合って、誰が一番すばらしい月を詠んだか優劣を決めましょう」
ということで、月の句を詠み、みんなで点数を付け合ったのではなかろうか。そうこうしている内に、「もの」を分かりやすく分類しようという俳人が現れ、その基準として「春夏秋冬」が考え出されたのではなかろうか。日本は四季がはっきりしているので、規準として成り得たと思われる。
またその内、新年の句が多いということに気づいた力のある俳人が、「新年」だけを新たに分類しようと考えたのではなかろうか。論理的に考えるとそうなるのである。詳しく調べた訳ではないので、確信はないのである。しかし大きく外れてはいないと思うのである。
2007.10.1