何故句集は売れないか

 句集は何故売れないのか。それは買う人がいないからである。句集は2000円程度するのである。それだけのお金を出してまでも買おうという人が少ないのである。私は一流俳人の句集なら買おうと思うが、個人の句集を積極的に買おうとは思わないのである。それは何故かというと、もったいないと思うからである。句集にそれだけの価値があるのかと疑ってしまうからである。古本屋で句集が売られているが、実に安いものである。1冊50円か100円である。それでも売れないのである。寂しいかぎりである。人は本当に魅力のある本ならば買うのである。読書好きなら、欲しい本は必ず買うであろう。俳句好きが欲しいと思わない句集が多いということである。これは仕方のないことであろう。俳句を何年かあるは何十年か詠んできた人は句集を出してみたいものである。実力がそれほどないことも自分では知っているが、それでも出してみたいのである。それを周囲の人や句友に読んでもらいたいのである。それで出す訳であるが、出版はとても魅力的である。 
 私も金があったら、出してみたいと思うことは何度かあった。しかし機会を失って出したことはない。家庭持つと自由に使える金がなくなるのである。妻は「道楽に出す金は一銭もありません」というのである。妻を無視し、力ずくで出すことは可能であろう。でもそれはしないのである。家庭の平和のためである。情けないことである。

                                            2007.10.7