インターネット句会

 インターネット句会はだいぶ盛んになってきた。今後もますます増えていくであろう。いちいち句会場まで行かなくとも句会に参加でき、忙しい人や、人嫌いな人、体に障害のある人などにとってはとても便利である。また自由に意見を書き込むことができ、民主的雰囲気も漂っている。とても親しくなればオフ会なるものを開き、直接参加者達が交流することもある。これは普通の吟行句会となんら変わるものではなく、楽しいものである。
 だが、欠点もある。参加者のレベルが異なり、批評がいい加減ではないかと思えることがある。またそのいい加減な批評がまかり通ってしまうのである。それはネット句会の水準そのものが普通の句会よりも低いからである。
 また夜間書き込む方が多く、相手の顔が見えないので、意見を書き込むうちに精神が高揚し、議論から悪口を言い合う喧嘩になりやすい。お互いに正体を明かしていない場合が多いので、つい大げさになりやすい。「人権侵害で訴えてやる」などと言い出す方も実際にいる。普通の句会ではなかなかそこまでの喧嘩にはなりにくい。相手が目の前に見えるからである。またネット荒らしと思える人も時々現れ、掲示板に実にいい加減なことを書き込み、ネット句会を荒らそうとする。正体が分からないので悪戯もしやすいのである。
 ネット句会は主宰者のレベルが全体の水準を左右する。だが俳句の大ベテランの老人達はネット句会にはほとんど参加しておらず、主宰者のレベルが低いのではないかと思わせるネット句会が多い。そういう句会では勉強にはならないであろう。よく主宰者のレベルを見極めて参加した方がよいであろう。
 だが今後ネット句会の水準は上がっていくであろう。その中からコンクール等で賞を獲得する人たちが出てくるかも知れない。そうなればネット句会も大ベテランの老人たちに認められるかも知れない。
 だが、俳句について小学生と大学生が対等に議論するところがあり、嫌いな人は嫌いであろう。私もあまり好きではない。

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