季語の新分類その2
季語は、春夏秋冬、そして新年の5つで分類されている。しかしどうしても分類できないものも存在している。たとえば、ペンギンは無季語である。寒い地方に住んでいるので冬でもよさそうであるが、日本人はペンギンを動物園で見ることがほとんどであり、寒い冬の動物園に人は行かず、夏休みなどの暑い動物園でペンギンを見たりするので、どちらかといえば夏の季語でもよいくらいである。一つの言葉をやや詳しく説明したが、こういうはっきりとしないものは「無季節な季語」、あるいは「雑季語」という季語に分類しては如何であろう。
これは季語ではないという方がいるであろう。なら、忌日の季語はどうなのだろう。何の季節感もないではないか。この無季節な季語、すなわち雑季語の存在を認めると、俳句の世界は大きく広がるであろう。川柳に近くなるかも知れないが、「雑季語」の分類を明確に行えばそうはならないであろう。川柳の一分野を戴くということである。
では、「雑季語」にはどんなものを入れればよいのであろう。日常生活においてよく使用されるが、季語でないためになかなか使用できず、困っている言葉があるであろう。あるいは動植物でもそういうものがあろう。それらを季語にするのである。何でもかんでも季語にする必要はないのである。
例えば電子メールはよく使用される言葉であるが、季語でないために、他の季語、たとえば、梨という秋の季語を使用し、
「梨食つて電子メールを打ちにけり」
などと無理に句を作ってしまうのである。文学的価値は何もないのである。第二芸術作品である。
今までの5つの分類だけでなく、6番目の「雑季語」の存在を認めてもよいであろう。俳句の分野はぐっと広がり、新しい句も開拓されると思うのである。若者も魅力を感じて増えるかも知れないのである。
2007.8.13