惜しむという季語
角川書店の歳時記で、四季の「惜しむ」に関する季語を調べたら、「春惜しむ」「夏惜しむ」「秋惜しむ」があり、冬はないのである。それに近い季語を探したら「冬終る」であった。冬は惜しむものではなく、終わるものらしい。確かに寒さの厳しい季節であるので、冬が終わっても惜しむ人は、ほとんどいないのかも知れない。冬が終わって早く春になってくれないかなという気持ちが一般的であろう。しかし、「冬惜しむ」で句は作れないものであろうか。作ってみよう。
渡り鳥北に帰るや冬惜しむ 孝治
どうであろう。惜しむ気持ちが出ているであろうか。うーん、今ひとつである。どうも無理な季語のようである。
2007.8.18