俳句は理系か文系か
俳句をたしなむ方々は一般的に文系の方々が多いと言われる。だが文系とはどういうことだろう。文系といえば文学部を中心として法学部、経済学部などかあげられよう。また文系の反対言葉として理系があるが、理系といえば理学部、医学部、工学部などがあげられる。簡単にいえば、国語系か数学系かということである。国語が得意で数学が苦手ならば「君は文系だね」と教師や仲間などから言われたであろう。
さて俳句好きは、一般的に国語好きであり文学好きである。だから文系と言われるのであろう。しかし、である。俳句は文系よりも理系のセンスをもった方の方がよい句がつくれるのではないかと思っている。また俳論も然りである。理系の方は論理的思考能力が発達している。この能力は分析力とも関連しており、対象を感覚的だけではなく、論理的分析的に捉えることができるのである。だから句が情感に流されることなく、客観的にまた省略の利いた句がつくれるのである。
だが文系の頭脳の方は、一般的に主観的な文章は書けても、客観的な論文はなかなか書けないのである。また俳句も主観に流れやすく、よく意味の分からない句を作りやすいのである。シュールな句は文芸の頭脳の想像物である。また句座における批評も客観的でなく、この句は「何となく」いいとか悪いとか指摘するのである。
さて、いろいろと文系の方の悪口を書いてしまったが、実際は人の頭脳は極端に文系理系に偏っていないのである。両方の能力をもっているのである。ただ少し文系とか数学が国語よりやや得意という程度なのである。極端に偏った思考回路はよろしくないということである。両方の能力を効率的に活用しつつ句をつくるべきである。
2008.9.7