恋愛俳句
俳句で恋愛句はなかなか難しいといわれている。それは俳句は大人の文学であり、恋愛の感情を表現するには短すぎるからである。でも作ろうと思うのである。私は今まで作ったことがないからである。しかし、私の年での恋愛は不倫しかないので、そんなことは嫌であるので、昔を思い出して作ろうと思う。思い出の女性は変わることがないのである。思い出結晶化作用により、さらに美しくなっているのである。
出会ひしは君の夕焼けカフェテラス
春子さんなんて可愛い人でせう
五月晴思ひ切つて告白す
手を握るここまで来るに青田風
君が手を握りし処牡丹坂
レモンより夏みかんの味この恋は
輝ける君が瞳に吾の顔
青空に噴水上がりデートかな
ああこれが霧のディズニーデートかな
春雨に濡れて今宵の口づけは
遠くより君が手を振る百合の花
唇を奪ひて驚く炬燵かな
この恋は一度だけなり蟻地獄
新婚の妻の寝顔や梅の花
結婚の後のだらだら山眠る 孝治
ニヤニヤしながら作ったのであるが、暫くすると心が冷静になり、「実に馬鹿だな」と感じた次第である。こういうのを「魔が差した」というのだろう。最初これらを載せるのをやめようと思ったが、初めて作った恋愛句である。兎も角載せることにしたのである。
俳句で恋愛秀句を作る場合、「好きです。愛してます」といった情感漂う句よりも、失恋調、客観調がよいのではなかろうか。
雪女郎おそろし父の恋恐ろし 中村草田男
2008.1.20