新季語の作り方
角川の歳時記で風の季語について調べてみた。
1 春の季語
春風 東風(こち) 涅槃西風(ねはんにし) 貝寄風(かいよせ) 春一番 春嵐
2 夏の季語
南風 黒南風(くろはえ) 白南風 青嵐 薫風
3 秋の季語
秋風 初嵐 野分 台風 芋嵐 黍風 青北風
4 冬の季語
木枯 北風 空風 隙間風
5 新年
初風 初東風
24個ほどあった。まだあるのかも知れない。涅槃西風や黒南風、薫風、芋嵐などなかなかに風情のある言葉である。芋嵐の季語は阿波野青畝氏の句「案山子翁あち見こち見や芋嵐」からできたそうである。ということは新しい季語を造ることは可能ということである。手順としては、風の造語を考え(1)、それで秀句を詠み(2)、みんなに認めてもらう(3)という3段階を踏めばよいということである。(1)の段階は比較的容易であろう。花風、苺風、五月風、青葉風、若葉風、花野風、ひよんの風、南瓜風、紅葉風などなどいくらでも浮かぶように思う。(2)
の段階からが難しいのである。まず著名な俳人でなければならないのである。無名な俳人がそれで秀句を詠んでも身近な人々に認知されないのである。よって広く知られることもなく、結局認められることはないのである。
結社の主宰者ならば新しい季語を造り出すことは可能であろう。まず新季語で句を詠むのである。それを同人・会員につくらせるのである。つまりその主宰の結社で認知してしまうのである。秀句がたくさんできれば広く知れ渡ることになり、「新季語の誕生」となるのである。人のつくった季語で秀句・名句をつくるのもよいが、自分の考え出した季語で秀句・名句をつくるのも楽しいのではなかろうか。
2009.5.3