心象俳句
心象俳句といってもいくつかに分類できるように思う。
1 「如く」のように直喩法を活用した俳句である。
2 暗喩法を活用した俳句である。この中に二重に意味をもたせる俳句がある。
3 何となく意味がありそうであるが、実際は意味もなく感性にまかせて言葉をつなぎ合わせて作る俳句である。
4 全く意味はないが、言葉の対比のおもしろさで作られる俳句である。
一番知力が必要な俳句は、2番の二重構造の俳句である。この二重構造が社会的批判を伴ってぴたり決まると上質な前衛俳句となる。1番の「如く俳句」もぴたり決まるとなかなか素晴らしい句となる。写実派もよく使用する昔から知られた技巧である。3番は自分の感性に頼りすぎて、論理的思考を欠いたタイプの俳人がよく作る句である。4番であるが、私はこの俳句をつくる方が真の前衛派だと勝手に思っている。彼らは支離滅裂な感性をもっており、言葉の対比が決まると意味がなくても心に残る俳句となるのである。しかしなかなか認めてくれる批評家がいないのである。また現在、作り手もあまりいないように思う。
さて、この中で「前衛保守派」が多く作るのは、3番の句である。前衛保守派は俳人として成功している方が多いように思う。成功するから保守派となるのかも知れない。この件については、またこの次にするのである。
2009.5.3