小景俳句

 大景俳句があれば、必然として小景俳句がある。さて、小景俳句にはどんなものがあろう・・・。大景俳句ほどには思い浮かばないのである。しばらく考えて思い浮かんだ句がこれである。

梅一輪一輪ほどの暖かさ      服部嵐雪

 大きなものでも俳句は収めることができるのであるから、小さなものも当然収めることができるのである。梅一輪の暖かさがしっかりと収まっている句である。
 しかし、なかなか小景俳句の名句が思い浮かばないのである。俳句は星の如く無数に存在するのであるから、もっと名句はあるのだろう。しかし、大景俳句ほどには名句はないことは間違いないようである。ということは、小景俳句の名句が詠めれば大したものだということである。ということで一句詠んでみよう。

白黴の大都市部屋の隅にあり   小山孝治

うーん、小景俳句は難しいのである。

                                       2008.4.20