燈の季語について

春燈、秋燈、寒燈(冬燈) 、夏の燈(ひ) という季語がある。それぞれどのような特徴があるのだろう。調べてみよう。
 まず、「燈」とはどういう明かりであろう。公園や道路などの電灯やガス灯、遠くの明かり、提灯、街の明かり、蛍光灯、行灯などがあげられよう。とにかく明かりである。
 では、春燈とはどういうものであろう。春であるから明るい雰囲気が感じられるのである。代表的イメージとして夜桜の花見の明かりなどであろうか。
 夏の燈はどうであろう。日中はとても暑く、夜になると燈がつき、庭や玄関、水辺、船などの明かりは涼しく感じられるであろう。つまり夏を涼しくする明かりというイメージである。
 秋の燈はどうであろう。秋は空気が夏に比べ澄み、静かなまた清明な感じがするのである。
 寒燈はどうであろう。寒さの厳しい冬の燈ということであるが、寒さと密接に関連しているのでこれが一番イメージが明瞭であろう。吹雪いている電柱の明かりが代表的イメージとしてあげられようか。
さて4つを比べてみると、秋燈のイメージが今ひとつ弱いように感じられるのである。あまり秋燈の句を聞かないのである。詠む人も少ないのではなかろうか。また夏の燈もしかりである。私はこの句を歳時記以外見たことがないのである。俳句の雑誌などにもあまりないように感じられる。
 春燈と寒燈は雑誌などでも見たこともあり、私自身詠んだことがある。夏と秋の句と比べるとよく詠まれている季語ではなかろうか。さて、よく詠まれるとはどういうことであろうか。イメージと関連しているように想われるが、それは次の分析とするのである。一つを分析すると次が広がるのである。

                                         2008.11.3