神としての季語、冬帝と炎帝

 炎帝は夏の季語であり、辞書で調べると、
(1)火をつかさどる神。
(2)夏をつかさどる神。太陽。[季]夏。
と出ている。
 炎帝の対句として冬帝がある。この季語は冬の季語であり、冬をつかさどる神ということである。
 この二つは「神の季語」であるから、人間が想像した季語である。想像した季語であるから、これを使用した俳句は写実句にはならないのである。ほとんど想像句である。季語の性質から写実、写生句が出来ないということである。であるから、使用がやや難しい季語である。類似季語の冬や夏の句は多くつくられているが、冬帝と炎帝の句は少ないのである。しかし、面白い季語ではある。

炎帝や日本全土を領土とし      孝治
冬帝や日本全土を真つ白に     孝治

                                                 2009.4.29