ばれおんじぞう


むかし、あったてんがな。
加茂の定光寺が寺の場所を移転する時に、一体のおじそうさんを移すのを忘れてしもたんて。
おじぞうさんは悲しんで旅人が近くを通ると、
「ばれおん(おぶってくれ)。ばれおん(おぶってくれ)。」
と毎日泣いてたんてや。それがうわさとなって、あるお坊さんが、
「わしが何とかするこて。」
といって、おじぞうさんをおんぶして今の寺の場所につれてってくれたんと。
おしまい。

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