ほらふきくらべ


むかし、あったてんがの。
川の上流と下流にほらふきがすんでおったと。ある日、上流のほらふきが下流のほらふきの家に行ったと。ところが、子らしかいねかったと。
子らにとと(父)はどこ行ったかと聞いたれば、
「佐渡島が二つにわれたんで、つなぎ合わせにいったがや。」
かか(母)は、どこ行ったかと聞いたれば、
「天女なんで、雲のうえに里帰りしてるがや。」
といったと。
とんでもねえふざけた子らだと思った男は、ひとつからかってやろうとして、
「こないだ大風で寺のつりがねがこっちに飛んできたと思うが、どこ行ったがや。」
「それはくものすにひっかかってブラブラしてるがや。」
それを聞いて、子らでもこんなほらふきだすけ、親はもっとすごいにちげえねえと思い、逃げ帰ったと。
いちごブラーンと下がった。

ひとつもどる