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むかし、あったてんがの。 加茂川の上流にカッパがすんでおったんだと。 カッパは馬のあしをひっぱったり、子どもの足をひっぱっておぼれそうにさせたりしてたんじゃと。 畑のきゅうりを一晩で何十本もくったりしてたんて。 それで村の人しょは、おこってカッパをつかまえようとしたんて。 ある晩、村の人しょは、きゅうり畑にあつまってじっとカッパが来るのをまっていたんと。 カッパはそうとも知らず加茂川からあがってきゅうり畑に近づいたんと。村しょは、それを見てわっと追いかけたんと。 カッパはおどろいて、加茂川にげようとしたんどもついにつかまってしまったんと。 「このわるカッパめ。」 といって村しょは、カッパを寺のけいだいの松にしばりつけたんと。 「ぼうでボコボコにしようかいの。」 「それともくっちまおうかいの。」 と村しょはいったんじゃが、 「ゆるしてくんろ。ゆるしてくんろ。」 とカッパは泣きながらいったんて。人間はとってもおっかねえなあと思ったそうな。 その姿を見て、お寺の和尚さんが、 「こりたようだすけ、助けてやろて。」 と村しょにいったんと。 村しょも和尚さんがそういうならということで、いのちを助けることにしたんと。 「二度とわるさすんなや。」 「もうしねえ。もうしねえ。」 とカッパはやくそくしたんと。 みんなにゆるされて、カッパは加茂川にもどっていったと。 それ以来、カッパのいたずらはなくなったんだと。 いちごブラーンとさけた。 |