わら(藁)とすみ(炭)と豆

むかし、あったてんがな。
なかのよいわらとすみと豆が三人して上方まいりにでかけたんてや。
そのたびのと中に川があったろも、その川には橋がねかったんて。
ほうしたら、わらが、
「おれが長げっけ、橋のかわりになるすけ、おめえら、わしの上をわたれや。」
といったんだと。
「そんならわしが一番先にわたるわい。」
といってすみがわたったんだと。そのと中ですみの火がおきてしまい、わらをもやしてしまったんだと。それを見ていた豆がバカ笑いをしてはらの所がさけてしまったんだと。
そんでいたがって泣いていたんだと。
そこに通りかかったばさ(ばあさん)がわけ聞いて、
「そんならわしがぬってやるこて。」
といってさけた所を黒い糸でぬってやったんて。だすけ(だから)今でも豆のはらには黒いぬい目がのこっているんだと。
いちごがポンとぶらさがった。
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