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| むかし、あったてんがな。 村の男しょが二人で山仕事に行ったんだと。働いてお昼になり、昼めしをくったと。 ほうしると、一人がそのまんまねむってしまったと。もう一人はねむらずにいたがや。すると、ねむっていた男のはなの穴からアブが出てきて山の方へと行ってしまったと。 また少したつと、アブがもどってきて、ねむっていた男のはなの穴にもどったと。 ほうしたら、男は目をさまして、 「おもしい夢だったぞ。」 というた。 「どんな夢だったが。」 「おら、むこうの山に咲いている白いつばきの木の下に、かめがうまっている夢を見たぞ。」 「そうけ、その夢おらに売ってくれや。」 「そげんにほしいならやるわ。」 「いや、人の見た夢をただでもらうわけにはいかんがて。」 というて、酒一升で買ったと。 それから、夢をかった男は、むこうの山で白いつばきの咲いている木をさがしたら、やはりあったと。 男はその下をいっしょけんめい掘ったれば、かめがでてきてその中に小判がいっぺこと入っていたがや。 ほうして、男はしんしょがようなったって。 いちごがポンとさけた。 |