はじめに


  歌の選び方は、まず一般に知られている有名な歌はほぼ網羅しています。前半の歌がその傾向の歌です。後半は私が気に入った、または気になる歌です。名歌というよりも良寛様の性格や行動、好みがどのようなものであるかを知るための歌です。歌はその作者の眼であり、耳であり、言葉です。何を好み、何を嫌に思い、何を悲しみ、何を喜んでいるのかが分かります。この撰と解釈を通して、良寛様の姿が少しなりとも見えてきたような気がします。また、ふと疑問に思ったことや良寛様の暮らしぶりや、自然の情景なども感じることができました。私は短歌を作りますので、良寛様の和歌の技法を修得することもでき、短歌の勉強になりました。また、良寛様の和歌かのいくつかは諳んじることができるようになり、良寛様は、漢詩や俳句よりも、和歌に優れた方であることが実感できました。しかし、この評価については、人それぞれ主観的要素があるので、深入りはいたしません。