良寛様全歌集 雑体歌の部


番号

雑体歌の部(吉野秀雄「良寛歌集」参考)

1169

おく山の管の根しのぎふる雪のふる雪の降るとはすれど積むとはなしにその雪のその雪の

1170

にひむろの新室のにひむろの寿ぎ酒にわれ酔ひにけりそのほぎざけに

1171

あはれさは人まつ虫の音づれにふり出でて鳴く鈴虫の野べの千草の露にぬれてむ

1172

我庵は国上山もと神無月時雨の雨はひめもすにふりみ降らずみ乙宮の森

1173

あしひきの国上の山の冬ごもり岩根もりくる苔水のかすかに世をすみ渡るなり

1174

ふるさとをはるばるへだてここかに隅田川みやこ鳥に言問はむ君はありや

1175

人はいつはるとも偽らじ争ふとも争はじ偽り争ひ捨てて常に心はのどかなれ


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