※◎○は、資料の重要度を示す。
定珍老 良寛
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年始の御祝儀品品贈被下、恭納受仕候。年内ハ御外行被遊、定て御取込入察
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定珍老 良寛
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けさはさひをたまはり、うやうやしく納受仕候。
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昨日は草庵へ年賀之みきたまはり、恭受納仕候。元日のみ歌何もおもしろく存
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御紙面拝見仕候。御風邪之由如何候や。御歌猶寛々拝見可仕候。ゆり、酒、
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定珍老 良寛
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定珍老 良寛
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定珍老 良寛
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今日は種々たまはり、恭しく納受仕候。詩歌の御返辞は重て申上度候。御淋
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定珍老
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定珍老
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定珍老 良寛
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いまよりは つぎてきぎのは いろづかむ たづさへてミよ ひとりふたりを
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先比久々御意を得、喜悦不斜候。其をりから暮あたりて、強御帰し申候。甚心
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渡辺村
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此みそ風味には難なく候へ共、あまりしほはやく候間。何卒御かへ度被下候。早々
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○ |
定珍老 良寛
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此間之寒気、信にたへがたく候。然ば趙州録一巻、御家に有之候ハバ、被遺度被下
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此間はつづきて寒に罷成候。如何御くらし被遊候や。先日は御セ話にあづかり大慶
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※阿部きみ衛門とは定珍のこと。一齋とは、医師の藤沢一齋のこと。 |
此比ハ御疎遠に罷越候。今日は見事なる大根、酒たまハり、辱存まゐらせ候。御歌
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古訓抄、長々御拝借仕、難有奉存候。王義之石拓、当時御入用御坐無候ハバ、
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うつせみの 人もおよばぬ みやまぎも はるにははなの さくてふものを
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定珍老
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○ |
御歳暮として、酒一樽、にむじむ、ごぼう、あぶらげ、うやうやしくをさめ候。
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寒気も少しゆるみ候。如何御暮し遊ばし候や。僧も久風邪にて伏り、御消息も不承候。
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述懐の歌
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定珍老
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御かへし
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あふてよみてつかはす
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与板への書状ハ、十日の日づけに致し候間、十日より天気しだいに、人つかはされ
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此間は御疎遠に打過候。然バ与板より、万葉略解参り候や。此者にあつらへつかはさ
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○ |
先日は、ゆりね、雪のりたまはり、恭しく納まゐらせ候。御年も五十にならせ被遊
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定珍老 良寛
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先日は御返翰恭拝見仕候。如仰寺泊外山へ人遺し候処、書物ハいまだ
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定珍老 良寛
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御不幸のよし、陰ながら承、信落涙いたし候。
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右件の書物、大坂屋へ返済度被下候。残りたるは、五六冊に候。餘り寒気にならぬ中、
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定珍老
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○ |
いはがねを したたるみづを いのちにて ことしのふゆも しのぎつるかも
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定珍老 良寛
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今朝は品々たまはり、恭受納候。如仰うしは憂にて候。めぐ子は愛子にて候。
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をさなき子のすぎたまひしよし、おどろき入候。御施物並酒、恭受納仕候。
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僧も此夏は密蔵院へ移候。観音堂のもり致、飯は照明寺ニ而たべ候。一寸御知らせ
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定珍老 良寛
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定珍老 良寛
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如仰此冬は、島崎のとやらのうらに住居仕候。信にセまくて暮し難候。暖気成
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先日大地震、世間一同の大変に候。野僧草庵ハ、何事もなく候。
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今日、御相承、大慶仕候。酒一樽、たばこ、恭受納仕候。今朝は客もあ
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年内、さうめんたまはり候。此十六日、燐家へ参、賞味仕候。其のうまさ、
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山田杜皐老 良寛
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山田杜皐老 良寛
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杜皐老 すがた
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このごろは、をどり手ぬごひたまはり、うやうやしくをさめまひらせ候。
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山田氏
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かくこひむと かねて知りせば わすれ草 みちにやどにも うゑましものを
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地しんは信に大変に候。野僧草庵ハ何事もなく、親るい中、死人もなく、めで度存候
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◎ |
何卒、白雪糕、少々御恵たまはり度候。餘の菓子は無用。
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○ |
すゑのみこのみかりますときき
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先比は帽子たまはり、恭納受仕候。
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山田杜皐老 良寛
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山田杜皐老 良寛
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人も三十四十を超ては。おとろへゆくものなれば随分御養生可被遊候。大酒飽淫は実
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◎ |
※すもり老とは、山本由之のこと。 |
過此御話申上候石碑、出来到候由、先日の御文ニ見え候。其立テ処は、此庵の
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由之老
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此あひの寒にいかが候とおもひ候処、便承安心いたし候。力つくまでは御用
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此夏ハ、まことによろしき気候ニ候。古今後集なりともなになりとも、少き者のよミて
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おいのみの おいのよすがを とむらふと なづさひけらし そのやまみちを
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先日書状あげ候へ共、此度好便有之候間、又申上候。石地のないとうより三音考御
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由之老 良寛
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目ぐすり入の壺のふたによろしく、◎これくらゐの形を見だしたまはりたまへ。
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○ |
由之老 良寛
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某の禅師集たまふみ経のすでにほろびむとするを
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先日きず薬たまはり候。文をわたす人のそさうにて、やうやく昨日うけとり候。また山
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由之老 良寛
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ありそみの おきつみかみに まひしなば さざいのふたは けだしあらむかも
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ふとんたまはり、うやうやしくをさめまゐらセ候。春寒信にこまり入候。然ども、僧
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このよらの いつかあけなむ このよらの あけはなれなば おみなきて ばりを
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ヒゼンの薬、進上。
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○ |
古事記を二十日ばかり、御拝借度被下候。当秋ぬぎおき候ぬのこは、わたをぬき可被
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中村権右衛門 良寛
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此のぬのこ、御あづかり度被下候。
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米を此人に遺度被下候。銭は御とどめおき可被下候。以上。
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青陽之御慶賀、何方も目出度申納候。然ば旧冬は、もち、やうかん、恭受納仕候。
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解良叔問老
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叔問老
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◎ |
陽春御慶、一同に目出度申納候。年内は品品歳暮たまはり、たしかに落手仕
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今日は、こんぶ、たばこ、たしかに相とどき候。先日は菊のみそづけたまはり、珍賞味
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先日草庵へ御来臨の翼日より、又風をひきかへし候。一両日以来、人心に罷成候。
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先日草庵へ御来臨被遊日より、又風をひきかへし。漸く一両日以来、快気
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暑に如何被遊候や。野僧いたみも漸いえ候。絹地たしかにうけとり候。
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久く風邪ニ而ふせり、やうやう近日よく候得共、于今すきとハいたさず候。洲尾老より
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御紙面拝見仕候。隆暑の節、御上京の方方無滞御帰宅被遊、御安心入察候。
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先日は米、辱奉存候。其節、野菜沢山ニたまはり、恭受納仕候。もはや
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先日はてぬごひ、とうふ、菊、落手仕候。
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先日は御紙面辱拝見仕候。寒気の節、弥御雄勝に御被遊、大慶ニ奉存
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○ |
寒気如何御暮被遊や。住庵無事罷過候。然米、もち、茶、烟草、菜等、い
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久しく御相不承、如何御暮被遊候や。野僧此間、やうやく達者ニ罷成候。先日
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先日は御手紙辱被見仕候。如仰歳暮御取込、信に入察候。其節ナンバン、
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先比は歳暮之御贈物恭受納仕候。烟草も落手仕候。殊にみそ豆、忝
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先日は寛々御目に懸、喜悦仕候。さて帰庵の後、病気もだんだん平愈至、鉢にも両
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新春の御慶、何方も目出度申納候。然ば旧冬は頭巾並野菜、恭受納仕候。
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先日は久々にて御面談仕、大悦奉存候。然バ道風の石ズリを貴宅ニ失念仕、
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寒気の節、御清和御凌被遊候や。野僧無事ニ罷過候。いつぞやおき候米、つかは
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久々御目ニ不懸候。如何御暮し被遊候や。当春ハ御隠居も御親父も、事の外御よ
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○ |
先日は、御手紙辱拝見仕候。行たき事は飛たつばかりに候得共、病後故道中を
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先此は、御年始恭受納仕候。私も一両日このかたは風邪も少快候。御登
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先日は御出之処、早々ニ候。其節御話申上候子美全集、今に不参候。途中ニ滞
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今日は歳暮として、酒、米、餅、並菜等恭しく納受仕候。使の人のいそぎ候間。
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厳寒の節、御平安の便承喜悦仕候。野僧無事に住庵致し候。御安心可被下候。
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寒気之時節、如何御凌被遊候や。野僧無事に罷過候。今日人遺候。何卒大豆一
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今日、餅恭受納仕候。然僧も無事ニ罷過候。寒中御保養可被遊、第一御
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正八老 良寛
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※正八とは、解良栄重のこと |
先日は久々ニ而御目にかけ、大慶奉存候。僧も此比、無事ニ帰庵仕候。今日、
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此比冬はあまり寒くもなく、無事に打暮し候。僧庵被遊候ハバ、如何御坐候。少し寒気
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江戸ニ而
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◎ |
中山より
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正月十六日
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九夏三伏日 吐灑四支萎
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蕭条老朽身 借此草庵送歳華
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※天放老人とは、医師の鈴木隆造のこと。弟が文台 |
無能生涯無所作
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千峰凍雲合 万径人跡絶
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先日は、御紙面辱拝見仕候。太白集前ニ一覧仕候。子美全集御覧被遊而後、
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草庵風雪裡 一投相思詩
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孟冬是十月
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冬日蕭蕭晴復陰
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入軽ゐ六右ヱ門老
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つるがや御隠居
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○ |
※つるがや御隠居とは、鳥井直右衛門のこと。 |
鳥井直右衛門老 良寛
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先日は久々にて御尊顔を得、大慶ニ奉存候。然ば、はだぎを失念致候やうに覚
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私も夏中少々不快にて、服薬仕候。其後とかく力つかず候。四五日以後、涼ニ
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今日は子足御来光、御相承大悦奉存候。盗賊の難、世間の人のうはさに候。
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今日人被遺、御相承大慶。当方寒気節、無事に罷在候間、御安じ
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厳寒之節御相承、大悦仕候。僧も御薬ニ而此節は全快気仕候。炭二表酒一
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今日は御遊来、大悦奉存候。如仰今年は寒気もうすく、凌ぎ安く候。僧も先
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今日唐紙被遺候得共、何になるのに候やら知れ不申候間、先止置候。野僧がおも
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暖気之節、如何御暮被遊候や。野僧も此程は漸快気仕候。先比は私するに痰
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此四月十六日、光枝老人死去被致候。其事は渡辺酒造右衛門殿方へ、申来候。
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○ |
如仰新春之御慶、目出度申納候。今宵御酒一樽をさめ候。寒気も此ごろはゆるみ、
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如仰新春の御慶、目出度申納候。随而野僧無事ニ住山仕候。猶
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如来意、陽春の嘉慶、何方も目出度申納候。此比は御風邪の由、猶餘寒節、御自愛
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おいぬれば まことをぢなく なりにけり われさへにこそ おどろかりぬれ
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正貞老 良寛
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いそぎ候間、おち候事も可有候。酒、たばこ、恭納受仕候。
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夏衣 たちてきぬれど みやまべは いまだ春かもとや うぐいすの鳴く
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こぞははうさうに而て 子共さはにうせにたりけり 世の中の
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ひとのくににはありもやすらむ、しらず。このくにには
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○ |
三輪権平老
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三輪権平老 良寛
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権平老 良寛
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厳寒之節、如何御暮被遊候や。野僧無事ニ罷過候。然ば万葉略解三の上下、十四
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厳寒節、如何御暮被遊候や。野僧無事罷過候。然ば万葉略解三の上下、十四の下
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外の御返しはあとからさしあげたく候。
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三輪権平老 良寛
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酒をあたためてのむべし。
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○ |
※大坂屋とは、三輪権平のことらしい。 |
光照寺の御隠居破了和尚病気にて、飛脚参り、出雲崎へ帰候。其跡へ御尋被下、
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曾冒風雪尋草廬
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別君知幾日 起居心不平
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左一老遺物、並酒、味噌、恭受納仕候。野僧今月五日、中山に住庵仕候。
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舌代
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わがおもふ ちへのひとへも なぐさむる こともあるやと あまぐもの たなびくやまを
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覚
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○ |
先日は寛々御話致大悦。今日は酒、米、なつとう、あをさ、せりたまはり、恭納受
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如仰厳寒信に困入候。此頃は少々打くつろぎ候。王義之法帖二冊、お返し申候。
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杜子美詩集寛熟覧仕候。永日以て参、百千万億分の一つ、御礼申上可候。以上。
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大関文仲老
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○ |
白雪糕、少々御恵みたまはりたく候。以上。
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○ |
三十郎殿 良寛
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先日は御出之処、餘早々残念ニ候。僧も只今全快致候間、御安心可被下候。今日
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久々御疎遠ニ罷過候。今日御相承、大慶奉存候。然ば墨、豆、並ニ青銅四
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ぬのこ一、此度御返申候。
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○ |
先日手紙あげ候。とどき候や。野僧登山仕度候へども。御寺も此間ハさわがしから
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先日は餘御疎末之到、残念に奉存候。今日は人被遣、御荷物之中のやきふは本覚
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此度三条の大変承、信に恐入候。御尊体如何被遊候や。宝塔院御住持如何被遊
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◎ |
隆全阿闍梨 良寛
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先日つかはされ候ものは、庵のあたりの長四郎と申ものの家へあづけおき候。
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白雪に 道はかくれて 見えずとも 思ひのみこそ 知るべなりけれ
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近日中に参上仕可候。書物一冊、からかさ、御うけとり被下べく候。あハせ一ツ、
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春寒如何被遊候や。野僧無事ニ罷過候。然あはせ一日もはやく被遺たまはるべく
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寒になり候。如何御くらし被遊候や。私無事に罷過候。然バわたいれ一まい、便
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寒さになり候。如何御暮し遊し候や。野僧無事ニ罷候。然バぬのこ一つ、もめん
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周蔵殿 良寛
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◎ |
やけどの薬の製法を御しるし被下可候。以上。御しるし遊被候書付は、与板の山田
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万葉十の巻より二十の巻まで、御拝借たまはり度候。一ノ巻より十の巻までは、何卒御
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○ |
すぎしころ御話被遊候不動尊の事、委細国上寺御方丈ニ語り候へば、其御あいさつ
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○ |
ちまきたまはりめづらしく候。私も今ハ快気致候。御安心可被下候。かけものよろ
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此度地蔵堂へ参候につき、富取へ参むすめの事承候。主人の被申候ハ、むすめ
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先日は、ゆりねたまはり、うやうやしく納受仕候。浄玄寺の手紙もとどき候。
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神歌たまはり、拝誦仕候。□きりも其後御うつり被下度候。後婦之事も調候。
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先日のまくり並ニ掛物唐紙、返済申候。被遺候薬、十帖あまり服用仕候へども、
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先日のこしおき被成候唐紙、まくり、並ニ掛物、このたび御返申候。御薬ハ服用
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橘左門老 良寛
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七彦老 良寛
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先日はゆりねたまはり、恭しく拝受仕候。
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先日はゆりつとたまはり、恭しく納受仕候。
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過ぎし頃は、菓子しろ、恭受納仕候。この頃は百合根を。
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歳寒之時節、御清和に御凌被遊候や。白幽子伝、弥御つとめ被遊候哉。野衲は彼
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さかや
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さむさにまかりなり候ども、御かはりなう御くらしあそび、めでたく存まゐらせ候。
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とやま
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とやま氏
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此者に米屋の六角の灯ちんつかはし被下度候。以上。
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白麦、りんご、酒一樽、恭受納仕候。涼なり候ハバ、一夜がけに参上度仕
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先日草庵へ御来臨被遊、酒一樽、恭納受仕候。万葉書了候間、つるがやへ御
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釈是人期日の御供養物、恭受納至候。当日、法華経を読誦して回向するとて、方
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齋藤伊右ヱ門老 良寛
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暑気甚罷成候。弥御平安ニ御坐被遊候や。野僧無事ニ住庵仕候。然ば油
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甚暑の節、御清和に御凌被遊奉賀候。野僧無事に安居仕候。然ば音紙面の趣、
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齋藤氏 良寛
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此間暑気甚候。如何御暮し遊候や。僧も老衰し、万事にものうく候。こ
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このごろ御かり申候のこりのしよもつを、此ものに御かせたまはる可候。 かしこ。
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先日は眼病のりやうぢがてらに、与板へ参候。そのうへ足たゆく、腸いたみ、御草庵
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かへし
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阿弥陀経一巻、御拝借被下度。
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先日は、もんぱのたびたまはり、うやうやしく納受仕候。
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てまりひとつおむおくりくだされ、うれしくぞむじまゐらせ候。
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※毬が画かれている。 |
此程めづらしきゆりねたまはり、うやうやしくをさめ候。私も此ほどは寺泊へ参可存
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去冬御帰宅の後、ほぐの中に唐紙残しおかれ候。只今返し申候らはんとおもひ、いろ
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げた一足、是ハ山田へ被遺可被下候。あかいはなをのげたもつけて。山田とは、蓮正
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今日は人をつかはされ、御申越され候古事記こと、又風をひきかへし、二三日とぢこも
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平安之御相承、安心仕候。三音考石地より参候ハバ、使しだいに御とどけ
|
小林正左衛門老 良寛
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わたくしもこのごろはそくさいにあり、ことしもくらし候。このたびはたび、わたぼう
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新春御慶、何方も目出度申納候。先日は餅、沙唐たまはり、恭納受仕候。
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先日は高田あはあめたまはり、大勢あつまり賞味悦入候。早々、以上。
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いんきん、たむし再発致候間、万能功一御恵投度被下候。以上。
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※貝が描かれている。 |
信寒甚罷成候。野僧無事に罷過候。貴家如何御暮し被遊候や。今日ハ餅、
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おほぞらの かぜのごとある きみなれバ くるとはすれど めにはみずけり
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秋風のさわぐ夕となりにけり
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此度村之若もの、宮額を上申候。御法楽ニ御染筆可被下候。神名ハ乙子大明神、方
|
○ |
今日は御相承、大慶ニ奉存候。野僧無事に寒気を凌候。御薬一種恭納受
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先日本間より遺候状ハ、信ニ私に候。御あづけおき申候銭、たまはり度候。
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あきのよも ややはださむく なりにけり ひとりやきみが あかしかぬらむ
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八十之御賀のよしにて、御酒一樽被舌、只今一酌之処にて大に妙に候。巻は直に相揮
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今日は、わざと人被遺、委細承候処、御地へ住庵致やうにとのおぼしめし候。
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今日は御相承、喜悦仕候。私も去冬寒気まけにて不快に候処、此度は少々宜
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定清老 良寛
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書物被見仕候。徂来先生のやうに見え候。以上。
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先日申上候とうゆ、涌井におくやうにおふせられ候ども、心におぼつかなくおも
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あはせのセんだく出来候ハバ、此人にもたセつかはさる可候。以上。
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寒天の節、如何御暮被遊候や。野僧無事に居過候。然ばもめん衣なくいたし、不自
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こしのうみ のづみのうらの 雪のりは かけてしぬばぬ 月も日もなし
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敬子之帖恭御返済申上候。書状一一御とどけ可被下候。
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此春はあわもり一箇たまはり、恭納受仕候。風味いまにわすれ難候。以上。
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如来意陽春之御慶、何方も目出度申納候。福寿草方寸金、金龍丸各一包、烟草、
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米、衣、落手仕候。うこぎ信ニ持参致候。長崎におき候。老年故忘却仕
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先日は御出之処早々。野僧一両日やうやく快気仕候。今日は三黄丸恭拝受
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松樹千年の御歌によりて、あとにて思出候。
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おもひわび うちでてみれば ひさかたの あめにかたぶく やまとなでしこ
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一 此一冊柳川より来候間、御とどけ申上候。先比御貴宅ニ遺置候。
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秋冷御清和ニ御凌被遊候や。野僧無事ニ罷在候。去ぬるころ、御はなし被遊候キ
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此秋は円座無滞相とどき申候。油は今日外の人にあつらへ申候間、さやうにおぼ
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雪の中に人を被遺候ども、近ごろは物書事すべて不出来候。筆ものころずきれはてて
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逐日寒冷相進候処、愈々御壮健之旨、法祉不斜候。寔に先日は邂逅御賁臨之処、
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右の掛物真偽は不知、あまりおもしろくはおもはれず候。尚又別人に御見せ被遊而
|
○ |
このごろは甚不快に候間、わざわざ人被遺候ども不書候。以上。
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一両日は寒気殊に甚御坐候処、如何御暮被遊候や。野僧無事ニ罷過候。然
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一筆申上候。然ば乙助しばられ候ハバ、はやく御しらせ可被下候。
|
○ |
此頃は、ぜんまい玉恭しく受納仕候。持経院主へよろしく茶の礼を。 |
ひまのときに、おさまの得手なものを画ておくれ。花のうへに讃のできるやうにあけて。 |
ひまのときに、花のうへに讃のできるやうに、おさまの得手なものを画ておくれ。 |
ハイ今日は。雑炊の味噌一かさ下され度候。イハサヤウナラ。 |
ハイ、コンニチワ。何卒雑炊の味噌一かさ被下度候。ハイ、サヨナラ。
|
此人、一夜御とめ可被下候
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○ |